
BtoB営業の商談成約率を上げる方法|計算式・平均の目安・失注分析から始める5つの改善策
「商談はできているのに、なかなか受注にならない」「成約率を上げろと言われるが、何から手を付ければいいか分からない」営業責任者や営業企画の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
成約率は、営業個人のスキルだけで決まるものではありません。「どの段階で」「なぜ」失注しているのかを特定し、その段階に合った打ち手を選ぶことが、改善の近道です。さらに、商談の質は、その前の工程(リード獲得・インサイドセールス)で決まる部分も大きくなります。
そこで今回は、商談成約率の計算式と平均の目安を整理したうえで、失注分析から始める5つの改善策をご紹介します。
商談成約率とは?計算式と、似た指標との違い
商談成約率は、商談になった案件のうち、何件が成約(受注)に至ったかを示す割合です。
商談成約率(%) = 成約数 ÷ 商談数 × 100
たとえば、月に20件の商談を行い、4件が受注になれば、成約率は20%です。
似た言葉が多いため、まず違いを整理しておきます。
指標 | 何を測るか | 主に見る部門 |
|---|---|---|
商談化率 | リード(見込み客)のうち、何%が商談になったか | マーケティング・インサイドセールス |
商談成約率(受注率) | 商談のうち、何%が受注になったか | 営業(フィールドセールス) |
受注率(リード起点) | リード全体のうち、何%が受注になったか | 全体 |
※ 「成約率」「受注率」は、企業や媒体によって定義が異なります(商談起点か、リード起点か)。自社での定義を最初に揃えておくと、数字の比較がぶれません。
平均の目安と、数字の読み方
商談成約率の平均は、業種・商材・単価によって大きく異なります。ある比較メディアでは、IT・SaaSで20〜30%程度、製造業で15〜25%程度といった目安が示されています(出典・調査年の記載なし)。
ただし、他社の平均と比べることには限界があります。
単価が高い・検討期間が長い商材は、成約率が低くなりやすい(その分、1件あたりの金額が大きい)
商談の定義が違うと、数字の意味が変わる(初回面談を商談と数えるか、提案以降を商談と数えるか)
比べるべきは、他社より、自社の過去の推移
目安は「大きく外れていないか」を見る参考にとどめ、自社の数字を、段階別・担当別・流入元別に分解して見ることをおすすめします。
成約率を上げる5つの改善策
1. 失注の理由を分析し、どの段階で落ちているかを特定する
結論: 改善の第一歩は、新しい施策を始めることではなく、失注の原因を特定することです。
理由: 成約率が低い原因は、「そもそも買う気のない相手と商談している」「ニーズは合うが提案が刺さっていない」「最後の決裁で止まっている」など、さまざまです。原因が違えば、打ち手も違います。
具体例: 失注した案件を、次のような軸で振り返ります。
失注したのは、どの段階か(初回面談後/提案後/見積後/決裁)
理由は何か(予算/ニーズ不一致/タイミング/競合/決裁者に会えていない)
リードの流入元(展示会・Web・紹介など)ごとに、成約率に差はあるか
コツ:
失注理由は、営業の感覚ではなく、CRMに必須項目として残す
件数が少ないうちは、1件ずつ丁寧に振り返る
2. 初回のヒアリングで「予算・決裁・課題・時期」を確認する
結論: 商談の初期段階で、予算・決裁権限・課題・導入時期(BANT)を把握しておくと、無駄な提案を減らせます。
理由: 決裁者が不在のまま提案を進めたり、予算が確保されていない案件に時間を使ったりすると、成約率は下がります。
具体例: 初回面談では、次の4点を確認します。
Budget(予算): 検討している予算の範囲はあるか
Authority(決裁権限): 最終的に誰が決めるか
Needs(課題): 何に困っていて、なぜ今なのか
Timing(時期): いつまでに導入したいか
コツ:
4項目を「聞き出す尋問」にしない。相手の状況を理解するための会話として組み込む
確認できなかった項目は、次回までの宿題として明確にする
3. 商談の途中で「テストクロージング」を入れる
結論: 最後の提案で初めて反応を見るのではなく、商談の途中で相手の温度感を確かめます。
理由: 相手が迷っているポイントを、最後まで把握できないと、「検討します」で終わってしまいます。
具体例: 「ここまでのご説明で、不安な点はありますか」「社内で進める場合、どなたの承認が必要でしょうか」と、途中で確認します。反応から、懸念点や次の一手が見えてきます。
コツ:
否定的な反応が出たら、その場で理由を聞く。後から聞くより、正直な答えが得られやすい
「次回までに誰が・何をするか」を、毎回その場で合意する
4. 競合との違いを、相手の判断軸に合わせて言葉にする
結論: 自社の強みの説明ではなく、「相手が何を基準に選ぶか」に沿って、違いを伝えます。
理由: 機能や特徴を網羅的に説明しても、相手の判断軸と合っていなければ、選ぶ理由にはなりません。
具体例: 初回ヒアリングで聞き取った「選ぶ基準」(コスト・導入スピード・サポート体制・実績など)に合わせて、強みを選んで説明します。比較の表や、同業種の導入事例を用意しておくと、社内での説明にも使ってもらえます。
コツ:
競合を悪く言わない。事実と、自社が向いているケースを正直に伝える
相手の社内で稟議を通すための材料(比較資料・事例)まで渡す
5. 前工程(インサイドセールス)から見直し、商談の質を揃える
結論: 成約率が上がらない原因が、営業ではなく、商談の入口にあることも少なくありません。
理由: ニーズが固まっていない相手や、決裁者ではない相手との商談が多いと、どれほど営業が頑張っても成約率は上がりません。商談化の基準があいまいなまま、件数だけを追うと、成約率が下がることがあります。
具体例: インサイドセールスとフィールドセールスの間で、次のような点を合意します。
どの状態になったら商談として渡すか(課題・予算感・決裁者・時期など)
渡す際に、どの情報を引き継ぐか(ヒアリング内容・相手の関心・過去のやり取り)
受注・失注の結果を、インサイドセールスにフィードバックする仕組み
コツ:
商談化率と成約率を、セットで見る(商談化率だけ追うと、質の低い商談が増える)
営業から「質が高かった商談/低かった商談」の理由を共有してもらい、基準を更新する
成約率の改善は「分解」して考える
5つの改善策は、すべてを一度に始める必要はありません。次のように、自社の状況に応じて、優先順位を付けます。
商談化率は高いが、成約率が低い: 2・3・4(ヒアリング、テストクロージング、差別化)から
商談の質にばらつきがある: 5(前工程の見直し)と1(失注分析)から
担当者によって成約率に差がある: 1(失注分析)で、うまくいっている人の動きを言語化する
支援事例:オリックス株式会社
オリックス社では、展示会やウェビナーで多くのリードを獲得していた一方で、リード対応のキャパシティが不足しており、十分なアプローチができていませんでした。
EmpowerXは、インサイドセールスとフィールドセールスの両面から、アポイント獲得からクロージングまでを一貫して支援。クライアントからは、パイプラインの構築数が多く、それに対するクロージング数も高い実績であるとの評価をいただいています。 導入事例の詳細はこちら
最後に
商談成約率を上げるには、「どの段階で・なぜ落ちているのか」を特定したうえで、ヒアリング、途中の確認、差別化の伝え方、そして前工程との連携を、順番に整えていくことが大切です。個人の努力に頼るのではなく、誰が担当しても一定の成果が出る流れを作ることが、成約率の安定につながります。
EmpowerXでは、インサイドセールスの立ち上げ・代行から、商談の質を揃えるための基準づくり、フィールドセールスとの連携設計までを支援しています。「商談は作れているが、受注につながらない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
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